易姓革命と儒教の政治万能主義(中国史・天命思想)

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儒教の天命思想と易姓革命(徳を失った王朝は滅ぼして当然という論理)。革命という概念が「悪の政権を打倒する」正当化ロジックとして機能した構造。中国史における王朝交代の繰り返しパターンと天命・易姓革命の関係。儒教が政治を道徳で包む「政治万能主義」的性格(礼楽刑政の一体化)。天子=天の命令を受けた統治者という概念が日本に輸入されなかった理由の考察。
◆ 其の八(スレ8)>>22–32
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天災が起こったらとりあえず「政治が悪い」ということになる中国と来たら
民衆にとって、国家から支援を引き出すための智恵だったのかね
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民衆の知恵というより、政府転覆を狙う人間にとってこそ都合の良い思想だったんじゃないのか
災害が続くということは、既に天が現政権を見限っていたと言うことになるわけだし
下手をすると、革命を起こした後に些細な自然災害を大げさに記述して、革命の正当性を主張したなんてこともあったかもしれない

そういえば、中国の歴史書をして
中国の歴史書は次の王朝が前王朝の物を編纂するからこそ、客観的で正しい歴史書になる
なんて主張を見かけることがあるけど、これ、明らかに逆だよなぁ
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そんな主張あるのか?
前王朝の歴史なんてこき下ろすに決まってるじゃないか
そして現政権の正当性を主張するためのソースにする
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それがこと中国、もっと詳しく言って儒教に限って言えばそうでもない
儒教は基本的に、祖先崇拝に宗族破壊のための官僚・合理主義を半端に導入した宗教だからさ
永遠に「昔はよかった」が積み重なってゆく宗教だといえる。だから中華は不変の帝国なのだ
大小あれど「前の王朝の歴史を後代の王朝が編纂して肯定する」というのが中国の基本的なスタンスだと思う

>>22も指摘してるが、要するに儒教は政治万能主義だ。天下乱れればそれはすなわち政治のせい
政治家がまともな治世をしてないから天が怒って災厄を振りまくのだと、こういう徹底的な天意肯定の姿勢がある
しかしこれが国の支援を引き出すためというのは間違いだろう。なぜなら昔は国家機構はもっと暴力的だったからだ
当時の国家はそもそも民主主義でないし、そもそも利益配分機能を持ってないので基本的に収奪するだけだったからな

>>23が指摘するように、儒教は平時は物凄く強力な社会的ビルト・イン・スタビライザーとして機能するが、
衰亡がある一定のレベルを超えると途端に革命を支えるバックグラウンドになるという不思議な宗教でもある
儒教は権力は天が与えたものだと考えるので、天下が乱れるということはつまりその宗族はもはやお払い箱であり
一刻も早く今の支配者宗族を放逐して新しい権力者を立てなきゃいけないと、こういう理屈になる
だから大きな災厄が起こると、中国では革命熱が高まるのね。黄巾党の乱やらアヘン戦争やらね

したがって、中国では「前の王朝はここがダメだったから倒れた」という発想があんまりないと思う
単に「天がダメだと判断したのでダメになった」ってだけで、反省して活かすという発想はあんまりないと思う



長文スマソ
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儒教には、天命の尽きた王朝は後退すべしという易姓革命の概念がある
ここが良くも悪くも動乱期には利用されてきた
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↑
×後退すべし
○交代すべし
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そもそもなんで易姓革命なんていう反乱者得な思想が生き残ってたのか気になるな
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建国者たちが反乱を起こす時の大義名分に使っていたからだろ
否定したら自分たちの正当性まで失われてしまうw
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いや、ローマカソリックみたいに「前の支配者は悪魔。我々こそが神に選ばれた以下略」みたいにできんかったのかなーと
易姓革命ってそんなに儒教の根本に食い込んでて抜きにくいものだったのかね
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儒学というより道教の影響な気もする、天の意思が決めるって思考は
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>>28
それは中国がもともと宗族の力が強すぎるために政治的流動性が低い国家だったからだ
だから国家というシステムを生き延びさせるために科挙をつくり易姓革命思想をつくって流動性を高めてきた
孔子自信も父がロクな奴じゃなかった上に早死にしてしまったので宗族社会では本当に不利な存在だった
だから宗族を超越する思想を生み出すことができた。社会的な要請と孔子の発想が結びついて生まれたといえるな

それに、徳が尽きたと判断されるまで儒教は超強力な革命・謀反の抑止力になるわけだしね
だから中華は異民族を病的に恐れる。異民族は儒教的な精神を持ってないので徳が尽きる前に国家をひっくり返されるから


>>31
勇儀姉さんの二つ名にあるように孔子は「怪力乱心を語らず」だった。つまり天なんて要素は最初なかった
孔子の根本的な発想は「徳を持って世を治めれば全てがよくなる」ということ。つまり政治万能主義だよね

それが後代、孟子によって「天命を失った君主なんて討ってもいいじゃん」と言い出した
実際、夏→殷→周の王朝変遷の正当性議論において孔子と孟子は正反対のことを言っている
一応ここでは、孔子は「忠義を失わないのはいいこと」と言ってるが孟子は「汚物は消毒」と主張した
儒教に本格的に「天命」の発想を持ち込んだのは孟子だよね。これを湯武放伐論という

ちなみに日本人はこの湯武放伐論が嫌いなので革命思想が根づかないのね
◆ 其の二十(スレ20)>>481–481
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まあ中国では儒教の「目先のことしか考えない小人物は休む間もなく汗水流して働く羽目になる」って文言が捻じ曲がって
「大人物は自分で直接何かをしないのが常識。動く必要がないことこそステータスであり、下々の真似なんてもってのほか」なんて風潮になったから
清朝の頃、イギリス領事と清国高官が面談する事になり領事館の一室へと案内したら椅子の並びが少し乱れていた
そこでイギリスの役人がこれは失礼と椅子を直したら「椅子の片付けなどという下賎な仕事を自らやるような小人と話すことなどない!」と激怒、重要な会談すっぽかして帰っちゃったり